【許認可申請】北海道でワイン・クラフト酒類を販売する場合に確認したい酒類販売業免許
北海道では、ワイン、クラフトビール、ウイスキー、シードル、日本酒など、地域性を活かした酒類への関心が高まっています。
北海道庁は、北海道のワイナリー数について、令和8年2月現在で75か所と10年前の約3倍に増加していると説明しています。
また、GI Hokkaidoの認定や道内オリジナルぶどう品種「山幸」のOIV品種登録など、道産ワインが国内外から注目されていることも紹介されています。
出典:北海道庁ウェブサイト
一方で、酒類を販売する場合には、原則として酒類販売業免許が必要です。
この記事では、北海道でワインやクラフト酒類の販売を考えている方に向けて、事業を始める前に確認しておきたい酒類販売業免許の基本を整理します。
酒類を販売するには免許が必要です
酒類は、一般の商品とは異なり、販売にあたって酒税法上の免許が必要です。
店舗で売るのか、飲食店で出すのか、インターネットで売るのか、卸すのか――あなたの売り方によって、必要な免許や手続きは変わってきます。
まずは、代表的な免許の種類を押さえておきましょう。
| 免許の種類 | 主な内容 |
| 一般酒類小売業免許 | 店舗等で一般消費者や飲食店等に酒類を販売する免許 |
| 通信販売酒類小売業免許 | インターネット等により酒類を通信販売する免許 |
| 酒類卸売業免許 | 酒類販売業者等に対して酒類を卸売する免許 |
| 酒類製造免許 | 酒類を製造するための免許 |
国税庁は、一般酒類小売業免許、通信販売酒類小売業免許、酒類卸売業免許などについて、免許申請の手引きを公表しています。
出典:国税庁ウェブサイト
店舗で売るか、ネットで売るかで、免許が変わります
北海道産ワインやクラフト酒類を「どう売るか」によって、必要な免許は変わります。
お店を構えて対面で売るなら、一般酒類小売業免許が必要になるのが基本です。
一方、ネットショップやメール、カタログ、SNSなどで2都道府県以上の広い範囲に売るなら、通信販売酒類小売業免許の確認が必要です。
国税庁の通信販売酒類小売業免許申請の手引きでは、新規に通信販売酒類小売業免許を受けようとする方向けに、免許申請手続、免許要件、免許取得後の留意事項などが整理されています。
リンク先:国税庁の通信販売酒類小売業免許申請の手引
なお、通信販売酒類小売業免許で取り扱える酒類には範囲の制限があります。
国産酒類については、品目ごとの年間の課税移出数量が3,000キロリットル未満の製造者が製造したものに限られ、大手メーカーの国産酒は取り扱えません(輸入酒類にはこの制限はありません)。
道産ワインやクラフト酒類の多くは中小規模の製造者によるもので対象になり得ますが、仕入先ごとに「課税移出数量証明書」を取得する必要があります。
| 販売方法 | 確認すべき免許 |
| 店舗で販売する | 一般酒類小売業免許 |
| 自社ECサイトで全国(2都道府県以上)に販売する | 通信販売酒類小売業免許 |
| SNSやメールで注文を受ける | 通信販売に該当する可能性があります |
| 飲食店で提供する | 飲食店営業許可との関係も確認 |
| 酒販店や飲食店へ卸す | 酒類卸売業免許の確認が必要 |
「お店で出す」と「お酒を売る」は別の手続きです
飲食店で店内のお客様にお酒を出すだけなら、通常は飲食店営業許可の範囲で対応できることがあります。
ただ、ボトルを持ち帰り用に売ったり、店頭でお酒を売ったり、インターネットで売ったりするとなると、別途、酒類販売業免許が必要になる可能性があります。
たとえば、次のようなケースは注意が必要です。
| ケース | 注意点 |
| 飲食店でワインを提供する | 飲食店営業許可との関係を確認 |
| 店内でボトル販売を行う | 酒類販売業免許が必要になる可能性 |
| ワイナリー商品をEC販売する | 通信販売酒類小売業免許を確認 |
| 地域イベントで酒類を販売する | 免許・期限付免許等の確認が必要 |
| 観光ツアーで酒類を販売する | 旅行業・酒類販売の両面確認が必要 |
飲食店営業許可を持っているからといって、お酒の小売販売まで当然にできるわけではない、という点に注意してください。
こんな販売を考えている方は、免許の確認を
北海道では、ワイナリーやクラフト酒類の広がり、観光との連携、地域産品のEC販売など、お酒を販売するチャンスが増えています。
次のような販売を検討している方は、事業を始める前に、自分のケースでどの免許や手続きが必要になるかを確認しておきましょう。
| 検討している販売 | 確認したい免許・ポイント |
| ワイナリー商品を店頭で売りたい | 一般酒類小売業免許 |
| 北海道産ワインをネットで売りたい | 通信販売酒類小売業免許 |
| 飲食店でボトルも売りたい | 飲食提供と小売販売の区別 |
| 地域産品ショップで酒類も扱いたい | 酒類販売場の要件 |
| 観光事業と組み合わせたい | 旅行業登録やイベント販売との関係 |
| 補助金を活用したい | 設備導入・販路開拓との関係 |
なお、お祭りや物産展などのイベントで臨時に酒類を販売する場合に用いる「期限付酒類小売業免許」は、すでに酒類販売業免許または酒類製造免許を持つ事業者でなければ受けることができません。
免許を持たない方がイベントのためだけに一時的に販売することは、原則としてできない点に注意が必要です。
また、その場でグラスに注いで飲んでもらう提供は販売業免許の対象外ですが、未開封のボトル等を持ち帰り用に販売する場合は免許が必要になります。
特に、道産酒を地域ブランドとして販売する場合には、販売方法、販売先、仕入先、保管場所、表示、年齢確認など、事業開始前に確認すべき事項が多くあります。
加えて、酒類の小売業免許を受けた後は、販売場ごとに酒類販売管理者を選任し、所定の研修を受講する義務があります。
また、免許の取得時には登録免許税(一般・通信販売の小売業免許は1件3万円、卸売業免許は9万円。期限付免許は非課税)がかかります。
自分でつくって売りたい方は、製造免許もチェック
お酒を仕入れて売るだけでなく、ワインやシードル、リキュール、クラフトビールなどを自分でつくりたい場合は、酒類製造免許が必要です。
酒類製造免許には最低製造数量基準などの要件があり、つくろうとするお酒の種類や規模によって、確認すべきことが変わります。
また、構造改革特区における酒税法の特例により、一定の地域・条件で最低製造数量基準が緩和される場合もあります(例えば果実酒の最低製造数量基準は、いわゆるワイン特区では年6キロリットルから2キロリットルに緩和されます)。
国税庁も、構造改革特区における製造免許の手引きについて案内しています。
出典:国税庁ウェブサイト
製造免許は専門性が高いので、販売の免許とは分けて検討することをおすすめします。
手続きが不安なときは行政書士へ
行政書士は、酒類販売業免許の申請書類の作成、必要書類の整理、税務署への事前相談の準備などをサポートできます(なお、税務申告や税務相談は税理士の業務範囲であり、行政書士が行うのは免許申請に関する書類作成・手続のサポートです)。
北海道産ワインやクラフト酒類の販売では、飲食店営業許可、旅行業登録、補助金申請、法人設立、契約書類など、複数の手続きが同時に関係してくる場合があります。
ご自身の事業内容に合わせて、必要な免許や関連手続きを早めに整理しておくと安心です。
まとめ
北海道では、ワインやクラフト酒類など、地域性を活かした酒類ビジネスへの関心が高まっています。
一方で、酒類を販売するには、販売方法に応じた酒類販売業免許が必要になります。
| ポイント | 内容 |
| 店舗販売 | 一般酒類小売業免許を確認 |
| ネット販売 | 通信販売酒類小売業免許を確認 |
| 飲食店での提供 | 小売販売との違いに注意 |
| 観光との連携 | 旅行業登録やイベント販売も確認 |
| 製造する場合 | 酒類製造免許を別途確認 |
酒類販売は、事業を始めてから「免許が必要だった」と判明すると、販売計画に大きく響くことがあります。
ワインやクラフトビール、シードル、地酒などの販売をお考えなら、まず売り方を整理し、必要な免許を早めに確認しておきましょう。
各種許認可申請に関するご相談をご希望の方は、札幌・北海道の各種許認可申請サポートページもご確認ください。
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