【許認可申請】北海道で太陽光発電・事業用地開発を行う前に確認したい許認可|林地開発・農地転用・盛土規制法

北海道で太陽光発電設備、資材置場、駐車場、倉庫、工場などの事業用地を整備する場合、土地を取得しただけで自由に開発できるとは限りません。

土地の所在地、現況、面積、利用目的、造成工事の内容によっては、林地開発許可、農地転用、盛土規制法、都市計画法など、複数の手続きが必要になります。

北海道は、太陽光発電事業やその他の開発行為について、計画段階、用地確保、施設整備、稼働段階に分けて、関係する主な手続きを整理しています。ただし、国や市町村が所管する制度については、別に確認する必要があります。

このコラムでは、北海道で太陽光発電や事業用地開発を検討する際に、初期段階から確認したい主な許認可や届出を整理します。

土地開発に関係する主な制度には、次のようなものがあります。

確認する制度主な確認場面
林地開発許可地域森林計画の対象となる民有林を開発する場合
伐採及び伐採後の造林の届出地域森林計画の対象民有林で立木を伐採する場合
農地転用許可・届出農地を資材置場、駐車場、発電設備用地などに変更する場合
盛土規制法の許可・届出一定規模以上の盛土、切土、土石の堆積を行う場合
都市計画法の開発許可建築物等の建築・建設を目的として土地の区画形質を変更する場合
国土利用計画法の届出一定面積以上の土地取引を行った場合
水資源保全地域の事前届出北海道が指定する区域内で土地取引を行う場合
市町村の条例・ガイドライン太陽光発電施設などについて独自の規制がある場合

どれか一つの許可を取得すれば、ほかの手続きが不要になるとは限りません。

土地を購入した後や工事の直前になってから確認すると、計画変更や工期の延期が必要になることもあるため、土地の取得前から全体を確認することが重要です。

森林を開発する場合には、森林法に基づく林地開発許可が必要になることがあります。

対象となるのは、原則として、都道府県が策定する地域森林計画の対象となっている民有林です。登記簿上の地目だけでは判断できず、北海道が公開する森林関係のデータも最新情報とは限らないため、市町村や総合振興局・振興局の林務担当部署などへの確認が必要です。

許可対象となる主な面積基準は、次のとおりです。

開発の目的許可対象となる規模
太陽光発電設備の設置開発面積が0.5ヘクタールを超える場合
太陽光発電設備以外の一般的な開発開発面積が1ヘクタールを超える場合
道路の新設・改築面積や道路幅員に関する基準あり

太陽光発電設備については、2023年4月1日以降、従来よりも小さい0.5ヘクタールを超える開発から許可対象となっています。

また、一つ一つの区画が基準以下であっても、隣接する土地を一体的に開発する場合や、段階的な計画によって最終的に基準を超える場合は、全体で判断されることがあります。

林地開発許可の面積基準を超えない場合でも、地域森林計画の対象民有林で立木を伐採するときは、市町村長に対する「伐採及び伐採後の造林の届出」が必要になることがあります。

原則として、伐採開始日の90日前から30日前までに事前届出を行い、伐採や造林の完了後にも状況報告を提出します。

「林地開発許可が不要であれば、そのまま伐採・造成できる」とは限らない点に注意が必要です。

2025年5月に成立した森林法等の改正は、2026年4月1日に施行されました。

現行制度では、林地開発許可に付された条件のうち、擁壁、排水施設など、森林の公益的機能を維持するために必要な施設の設置・維持管理に関する条件に違反して開発した場合が、新たに罰則の対象とされています。

また、知事による開発の中止や復旧命令に正当な理由なく従わない場合には、命令に違反している事実や対象森林の地番などを公表できる制度となっています。

許可を取得するだけでなく、許可条件に従って防災施設を整備し、工事後も適切に維持管理することが重要です。

農地を資材置場、駐車場、太陽光発電設備、倉庫、工場用地など、農地以外の用途に変更する場合には、農地法に基づく許可または届出が必要です。

農地に該当するかどうかは、登記簿上の地目だけでなく、原則として土地の現況により判断されます。登記地目が「山林」や「雑種地」であっても、現況によっては農地として取り扱われる可能性があります。

一般に、市街化区域内の農地では農業委員会への届出、市街化区域外の農地では農地転用許可が必要になります。資材置場や駐車場への変更も、農地転用に該当します。

農地転用では、主に次の点が審査されます。

  • 農地の区分や周辺の土地利用状況
  • 転用目的の具体性
  • 資金計画や事業実施の確実性
  • 排水計画や周辺農地への影響
  • 他法令による許認可の見込み

特に、農業振興地域の農用地区域に含まれる土地は、原則として農業上の利用が優先されます。
転用を行うためには、農地転用許可に先立って農用地区域からの除外手続きが必要になる場合がありますが、すべての土地で除外が認められるわけではありません。

太陽光発電設備を設置する場合も、土地が農地であれば農地転用の確認が必要です。
営農を継続しながら上部に太陽光パネルを設置する営農型太陽光発電についても、支柱部分の一時転用許可など、通常の地上設置型とは異なる手続きがあります。

正式名称を「宅地造成及び特定盛土等規制法」という盛土規制法は、2023年5月26日に施行されました。

規制区域内では、土地の用途が宅地、農地、森林のいずれであるかにかかわらず、一定規模以上の盛土、切土、土石の堆積などを行う場合に、あらかじめ許可または届出が必要になります。

北海道では規制区域の指定と規制開始が段階的に進められており、2026年7月1日から新たに54市町村で規制が開始されました。

2026年7月12日時点で、北海道が管轄する176市町村のうち68市町村について規制区域が公表されています。
札幌市、旭川市、函館市については、それぞれの市が制度を管轄しています。

そのため、北海道内であっても、事業地の市町村によって次の点が異なります。

  • 規制が開始されているか
  • 事業地が規制区域内か
  • 北海道と市のどちらが許可権者か
  • 申請・届出の提出先
  • 適用される手引きや技術的基準

札幌市では、市内全域が「宅地造成等工事規制区域」または「特定盛土等規制区域」のいずれかに指定されています。

太陽光発電設備、資材置場、駐車場、事業用地の整備では、敷地の整地、法面の造成、残土の搬入、土砂の一時保管などを伴うことが多いため、工事内容と規制区域の両方を確認する必要があります。

都市計画法上の「開発行為」とは、主として建築物の建築や一定の工作物の建設を目的として行う、土地の区画形質の変更をいいます。

倉庫、工場、事務所、管理棟などの建築を伴う事業用地開発では、都市計画区域の区分や開発面積によって、開発許可が必要になることがあります。

特に市街化調整区域では、開発面積だけでなく、予定している建築物をその場所に建築できるかという立地基準も問題になります。

太陽光パネルの設置だけで直ちに都市計画法上の開発行為になるとは限りませんが、管理棟や倉庫などの建築を伴う場合や、別の条例・制度で造成行為が規制される場合があります。

計画地の区域区分、用途地域、建築物の用途、造成内容を整理した上で、許可権者に確認することが必要です。

開発工事の許可だけでなく、土地を取得する段階で届出が必要になることがあります。

国土利用計画法の届出

一定面積以上の土地について売買などの契約を締結した場合、土地を取得した人は、原則として契約締結日から2週間以内に、土地が所在する市町村を経由して届出を行います。

北海道における主な面積基準は、次のとおりです。

区域届出対象となる面積
市街化区域2,000平方メートル以上
市街化調整区域5,000平方メートル以上
上記以外の区域10,000平方メートル以上

複数の契約に分かれていても、一体的に利用する隣接地を取得する場合には、「一団の土地」として合計面積で判断されることがあります。

森林の土地を取得した場合の届出

地域森林計画の対象となっている民有林を売買、相続、贈与などにより取得した場合は、原則として面積にかかわらず、所有者となった日から90日以内に市町村長へ届出を行います。

ただし、国土利用計画法に基づく土地売買等届出書を提出している場合は、この森林所有者届出の対象外です。

水資源保全地域内の土地取引

北海道が指定する水資源保全地域内で土地の権利を移転する場合は、土地を譲り渡す側が、原則として契約締結の3か月前までに届出を行う必要があります。

この届出には面積基準がないため、小規模な土地取引でも対象になる場合があります。

国土利用計画法の届出が契約後の届出であるのに対し、水資源保全地域の届出は契約前の届出である点に注意が必要です。

太陽光発電施設については、森林法、農地法、盛土規制法などの全国的な制度だけでなく、市町村独自の条例やガイドラインが定められていることがあります。

北海道内でも、太陽光発電設備について、届出、事前協議、許可、立地禁止などを定める市町村があります。規制対象となる地域、設備規模、住民説明、維持管理、廃止後の措置などは、市町村によって異なります。

条例上の手続きが必要な場合、ほかの許認可を取得していても、条例に基づく届出や協議を省略することはできません。

事業地が決まった段階で、所在市町村の例規、担当部署のウェブサイト、ガイドラインなどを確認することが必要です。

FIT・FIP制度の認定を受ける再生可能エネルギー発電事業では、事業規模や事業地の状況に応じて、認定申請前に周辺住民への説明会または事前周知措置を実施する必要があります。

大規模な発電設備や周辺地域に影響を及ぼす可能性が高い事業では説明会を行い、それ以外の一定の小規模設備では、ポスティングなどによる事前周知措置を行う仕組みです。

説明会が必要な場合は、原則としてFIT・FIP認定申請日の3か月前までに開催することとされています。

市町村条例に基づく住民説明と、再エネ特措法に基づく説明会・事前周知は別の制度であるため、それぞれの要件を確認する必要があります。

事業用地の許認可を確認する際には、少なくとも次の資料を準備しておくと、行政機関への相談を進めやすくなります。

資料・情報確認する内容
土地の所在地・地番管轄行政機関や規制区域
登記事項証明書所有者、地目、面積、権利関係
公図・地積測量図土地の範囲、隣接関係
現況写真森林・農地・造成状況
事業計画図建物、設備、道路、排水施設の配置
造成計画盛土、切土、土砂搬入・搬出の内容
土地取得の予定国土利用計画法や水資源保全条例の届出
工事予定時期許認可の申請時期や住民説明の期限

土地の地番や面積だけでなく、実際にどの範囲を造成し、どのような施設を設置するのかを具体化することが重要です。

行政書士は、官公署に提出する許認可申請書類の作成、提出手続の代理や、これらに関する相談を業務としています。

土地利用や事業用地開発については、例えば次のような支援が考えられます。

  • 計画地に関係する許認可・届出の整理
  • 行政機関への事前相談に必要な資料の整理
  • 農地転用や林地開発許可などの申請書類作成
  • 国土利用計画法や森林取得に関する届出書類の作成
  • 市町村条例に基づく届出・協議書類の作成
  • 複数の行政機関にまたがる手続きの進行管理

一方で、境界確定、測量、登記、建築設計、構造計算、造成・排水施設の技術設計などについては、案件に応じて土地家屋調査士、司法書士、建築士、測量士その他の専門家との連携が必要になります。

土地を購入してから許可取得が難しいことが判明する事態を避けるためにも、計画の初期段階で手続きの全体像を整理することが大切です。

北海道で太陽光発電設備や事業用地を整備する場合には、土地の所在地、現況、面積、利用目的、造成内容に応じて、複数の許認可や届出を確認する必要があります。

特に確認したい項目は、次のとおりです。

確認項目主な手続き
地域森林計画の対象森林か林地開発許可、伐採届
現況が農地か農地転用許可・届出
農用地区域に含まれるか農用地区域からの除外等
盛土・切土を行うか盛土規制法の許可・届出
建物の建築を伴うか都市計画法の開発許可等
一定面積以上の土地取引か国土利用計画法の届出
水資源保全地域内か契約3か月前までの届出
市町村独自の規制があるか条例・ガイドラインによる手続き
FIT・FIP認定を申請するか住民説明会・事前周知

土地利用に関する手続きは、着工直前ではなく、土地の取得や事業計画を決定する前から確認することが重要です。

各種許認可申請に関するご相談をご希望の方は、札幌・北海道の各種許認可申請サポートページもご確認ください。