【自動車登録】ナンバープレート交換猶予中に再転居した場合のOSS変更登録と未交付ナンバー代の精算
引っ越しによって自動車の使用の本拠の位置が変わった場合、原則として自動車の変更登録が必要です。
運輸支局等の管轄が変わる場合には、ナンバープレートの変更も必要となります。
ただし、一定の条件を満たして自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS)を利用すると、ナンバープレートの交換を次回車検時まで猶予できる特例があります。
では、この特例を利用してナンバープレートを交換しないまま、再び別の運輸支局等の管轄へ引っ越した場合は、どのように手続きを進めればよいのでしょうか。
当事務所では、このようなケースについて2026年9月に札幌運輸支局へ確認を行いました。
その結果、一定の条件の下で再度OSSによる変更登録を行い、ナンバープレートの交換猶予を利用することが可能との回答を得ています。
一方、札幌運輸支局の回答によれば、途中の住所変更で交付を受けなかったナンバープレートについても、交付手数料の精算が必要とのことでした。
本コラムでは、OSSによるナンバープレート交換猶予制度の概要と、交換猶予中に再転居した場合の変更登録、未交付ナンバープレートの費用精算について解説します。
OSSによるナンバープレート交換猶予制度とは
自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS)は、保管場所証明、自動車登録、税・手数料の納付など、自動車の保有に関する手続きをオンラインで行うための仕組みです。
2022年1月4日から、引っ越しに伴う一定の変更登録について、OSSを利用した場合にナンバープレートの交換を次回車検時まで猶予する特例が開始されました。
従来、管轄外への引っ越しでナンバープレートの変更が必要となる場合は、住所変更登録と併せてナンバープレートの交換や封印の取付けを行う必要がありました。
この特例では、変更登録を先に済ませ、ナンバープレートの交換は次回車検時までに行うことができます。
なお、交換が猶予されるのはナンバープレートであり、住所変更登録そのものではありません。
道路運送車両法第12条第1項では、登録事項に変更があった場合、原則としてその事由が生じた日から15日以内に変更登録を申請することとされています。
ナンバープレートを次回車検時まで交換しなくてよいことと、住所変更登録を次回車検時まで行わなくてよいことは異なります。
交換猶予を利用できる主な条件
国土交通省の案内による主な条件は、次のとおりです。
| 項目 | 主な条件 |
|---|---|
| 申請者 | 自動車の所有者本人 |
| 所有者・使用者 | 同一であること |
| 申請方法 | マイナンバーカードを使用したOSSによる変更登録 |
| 変更の理由 | 引っ越しに伴う使用の本拠の位置等の変更 |
| 対象車両 | 対象条件を満たす登録自動車(軽自動車は対象外) |
| 交換期限 | 次回車検時まで |
例えば、ローン会社やリース会社が所有者となっている自動車は、通常、所有者と使用者が異なるため、本特例の対象外となります。
また、OSSでは行政書士等の代理人による申請も可能ですが、国土交通省が案内する交換猶予特例は、所有者本人による申請を対象としています。
電子車検証の場合の取扱い
国土交通省が2021年12月に公表した制度開始時の案内では、OSSによる変更登録後、旧車検証の写し等を運輸支局等に郵送し、変更後の車検証の交付を受ける手順が示されていました。
その後、2023年1月から電子車検証が導入されています。
現在のOSS公式サイトでも、郵送による車検証の受取りを希望した場合の手順が案内されており、電子車検証についても、旧車検証の写しを郵送する方法が示されています。
この場合、OSSの申請状況が「自動車検査証交付待ち」となってから、指定された方法で旧車検証の写し等を郵送します。
電子車検証の場合、変更後の車検証を受け取った後に旧車検証の原本を返送する取扱いも案内されています。
ただし、具体的な必要書類や記録処理は申請内容によって異なります。
特に交換猶予中に再転居する場合には、申請前に管轄運輸支局等へ確認することをおすすめします。
ナンバープレートを交換する前に再び引っ越した場合
今回取り上げるのは、最初の引っ越しでOSSの交換猶予特例を利用し、ナンバープレートを交換しないまま、さらに別の地域へ引っ越すケースです。
例えば、次のような状況が考えられます。
| 時点 | 使用の本拠の位置 | 車検証上の自動車登録番号 | 実際に取り付けているナンバープレート |
|---|---|---|---|
| 当初 | A地域 | Aナンバー | Aナンバー |
| 1回目の引っ越し | B地域 | Bナンバー | Aナンバー |
| 2回目の引っ越し | 札幌地域 | 札幌ナンバー | Aナンバー |
1回目の引っ越しでは、OSSによる変更登録を行い、Bナンバーへの交換猶予を受けています。
この時点で車検証上の自動車登録番号はBナンバーに変わっていますが、車両には引き続きAナンバーが取り付けられています。
その後、Bナンバーの交付を受ける前に札幌へ引っ越した場合、新たな変更登録が必要となります。
この際、実際に取り付けられているAナンバー、前回の変更登録で割り当てられたBナンバー、今回新たに割り当てられる札幌ナンバーが関係することになります。
再度OSSによる変更登録を行うことは可能か
当事務所が2026年9月に札幌運輸支局へ確認したところ、上記のようにナンバープレートの交換猶予を受けている状態でも、新たな住所への変更登録を行うことは可能であり、OSSも利用できるとの回答でした。
また、2回目の変更登録についても、特例の条件を満たせば、ナンバープレートの交換猶予を利用できるとのことでした。
したがって、1回目の変更登録後にナンバープレートを交換していないという理由だけで、必ずしもOSSによる変更登録ができなくなるわけではありません。
ただし、この回答は当事務所が個別の事案について札幌運輸支局に照会して確認した取扱いです。
車検証の記録内容や過去の変更登録の状況、所有者と使用者の関係などによって確認事項が異なる可能性があります。
実際の申請に当たっては、新たな使用の本拠の位置を管轄する運輸支局等へ、事前に確認することをおすすめします。
注意したい未交付ナンバープレートの費用
再度の変更登録が可能であっても、注意したいのがナンバープレートの交付手数料です。
ナンバープレートの交換猶予特例は、ナンバープレートの交付時期を猶予する制度であり、交付手数料の負担そのものを免除する制度ではありません。
国土交通省が2021年12月10日に一般社団法人日本自動車整備振興会連合会あてに発出した協力依頼(国自情第242号の2・国自整第221号の2)では、交換猶予中の自動車について、変更登録後のナンバープレートの交付を受けないまま移転登録や抹消登録等を行う場合、未納の交付手数料があれば、交付代行者から併せて請求されることが示されています。
なお、この協力依頼は売却等に伴う移転登録・抹消登録等を想定したもので、再度の住所変更(変更登録)の場合の取扱いは明記されていません。
再転居時の取扱いについては、前述の札幌運輸支局への照会結果に基づいています。
2回の引っ越しで必要となる費用
先ほどのA地域からB地域を経由して札幌へ引っ越した例では、次の2つのナンバープレートについて費用精算が必要となる場合があります。
| 対象 | ナンバープレートの状態 | 費用の取扱い |
|---|---|---|
| Bナンバー | 1回目の変更登録で割り当てられたが、交付を受けていない | 未納の交付手数料を精算 |
| 札幌ナンバー | 2回目の変更登録で新たに割り当てられる | 今回の交付手数料を支払う |
最終的に取り付けるナンバープレートは札幌ナンバーであっても、以前のBナンバーについて未納の交付手数料があれば、併せて支払う必要があるとの回答でした。
なお、交付手数料は国土交通大臣の認可を受けて交付代行者ごとに定められており(道路運送車両法第27条)、ナンバープレートの種類や交付地域などによって異なります。
過去の未納分を精算する場合、具体的な請求額についても、交付代行者に確認する必要があります。
異なる地域の交付手数料はどこで支払うのか
ナンバープレートは、国土交通大臣から指定を受けた「自動車登録番号標交付代行者」が交付しています。
交付代行者は地域ごとに設けられています。
札幌地域では、主に次の2団体が車種区分に応じて担当しています。(いずれも、札幌運輸支局に隣接しています。)
| 車種区分 | 交付代行者 |
|---|---|
| 自家用自動車(1~5ナンバー) | 一般社団法人札幌地区自家用自動車協会 |
| 自家用自動車(8・9・0ナンバー)、事業用自動車 | 一般財団法人北海道陸運協会 |
今回、札幌運輸支局へ確認した事案では、前回の変更登録で割り当てられた他地域のナンバープレートについて、未納の交付手数料を札幌側でまとめて支払い、札幌と当該地域の交付代行者間で精算・送金する方法が案内されました。
これにより、申請者が前の住所地の交付代行者へ直接出向くことなく、最終的な転居先で費用を精算できるとの説明でした。
ただし、この精算・送金方法は、今回の個別照会で確認されたもので、全国すべての交付代行者において、同じ手順や支払方法で対応できるかについては、当事務所では確認できていません。
複数回の住所変更で未交付のナンバープレートがある場合は、最終的な使用の本拠の位置を管轄する運輸支局等と、当地の自動車登録番号標交付代行者に、事前に費用精算の方法を確認することが重要です。
交付代行者への事前確認をおすすめする理由
OSSによる交換猶予制度は2022年から運用されていますが、交換猶予中に再び管轄外へ転居するケースは、通常の住所変更とは異なる処理を伴います。
そのため、交付代行者の窓口や担当者によっては、同様の事例の取扱方法が十分に周知されていない可能性も考えられます。
通常のナンバープレート交付とは異なり、過去の変更登録で割り当てられたナンバープレートの未納費用についても、確認と精算が必要になるためです。
手続きを円滑に進めるため、事前の問い合わせでは、次の点を具体的に説明することをおすすめします。
1.現在のナンバープレートの状態
OSSによる変更登録をすでに行っており、ナンバープレートの交換猶予を受けていること。
2.これまでの住所変更の経緯
前回の変更登録を行った地域と、その際に割り当てられたナンバープレートの交付をまだ受けていないこと。
3.今回予定している手続き
再度の引っ越しに伴い、新たな使用の本拠の位置への変更登録を行うこと。
4.未納手数料の取扱い
前回の変更登録で未交付となっているナンバープレートの交付手数料を、今回の転居先でまとめて支払えるかどうか。
必要に応じて、運輸支局等にも取扱いを確認し、交付代行者との間で案内に相違がないことを確かめておくと、手続き当日の行き違いを防ぎやすくなります。
再転居時の手続きで確認したい事項
1.新住所の保管場所証明
引っ越しによって使用の本拠の位置や保管場所が変わる場合、原則として新たな保管場所証明が必要です。
すでに前の住所で車庫証明を取得していても、今回の転居先でそのまま使用できるわけではありません。
OSSによる申請を予定している場合は、保管場所に関する申請と変更登録を併せて行うための条件を確認し、必要な準備を進めます。
2.車検証と過去の変更登録内容
再度の変更登録に当たっては、車検証に記録された現在の住所、使用の本拠の位置、自動車登録番号などを確認する必要があります。
特に交換猶予中の車両では、車検証上の自動車登録番号と、車両に実際に取り付けられているナンバープレートの番号が異なる事に注意が必要です。
電子車検証の場合は、車検証閲覧アプリ等で記録事項を確認し、必要な記録処理についても注意してください。
3.交換猶予の期限と継続検査
ナンバープレートの交換猶予は、無期限に認められるものではありません。
原則として次回車検時までに新しいナンバープレートの交付を受け、交換する必要があります。
再転居したことによって、車検証の有効期間そのものが延長されるわけではありません。
また、OSS公式サイトでは、前回の検査後に住所や使用の本拠の位置等が変更された場合、継続検査の申請前に変更登録等を行う必要があると案内しています。
車検証の登録内容が現在の住所等と一致していない場合、継続検査申請が却下される可能性があります。
国土交通省は、交換猶予の期限までに新しいナンバープレートの交付を受けない場合、道路運送車両法違反に問われる可能性があることも案内しています。
4.住所変更を証明する資料
転居を繰り返している場合、車検証の登録情報と現在の住所をつなぐ変更履歴を確認する必要があります。
住民票の写しだけでは過去の住所を確認できない場合、戸籍の附票等の追加資料が必要となることもあります。
OSSでの申請に必要な書類や、住民票コード等による添付書類の省略が可能かどうかについても、事前に確認することが重要です。
5.交換猶予中に自動車を売却する場合
交換猶予中の自動車を売却する場合にも注意が必要です。
国土交通省の協力依頼では、交換猶予中の車両を売却する場合、新しいナンバープレートの交付を先に受けてから移転登録等を行うよう促すことが求められています。
住所変更だけでなく、所有者の変更を予定している場合にも、事前に手続きの順序を確認することをおすすめします。
ナンバープレートを交換する際は出張封印も選択肢に
交換猶予の期限が近づき、新しいナンバープレートを取り付ける際には、原則として旧ナンバープレートの返納や、新しい封印の取付けが必要です。
通常、登録自動車のナンバープレートを交換する際には、車両を運輸支局等へ持ち込むことになります。
ただし、一定の要件を満たす場合には、行政書士等による出張封印を利用することもできます。
出張封印は、車両の保管場所等でナンバープレートの交換や封印の取付けを行う方法です。
交換猶予中の車両の封印の取付けについても、国土交通省の「封印取付け委託要領」において、行政書士会による丁種封印の対象となる場合が規定されています。
この交換猶予に係る封印の取付けについては、行政書士が登録申請書類を作成した車両に限定する原則の例外として位置付けられています。
そのため、所有者本人がOSSで変更登録を行った車両であっても、一定の条件の下で出張封印を利用できる場合があります。
ただし、実際の出張封印の可否については、各地域の行政書士会の運用や、登録関係書類、旧ナンバープレートの返納方法等を確認する必要があります。
当事務所でも、札幌市および近郊地域において、対象となる自動車登録手続きについて出張封印に対応しています。
まとめ|OSSによる再度の変更登録と未交付ナンバー代の精算
OSSによるナンバープレート交換猶予を利用している間に、再び別の運輸支局等の管轄へ引っ越した場合でも、一定の条件を満たせば、再度OSSによる変更登録を行うことが可能です。
今回、当事務所が2026年9月に札幌運輸支局へ確認した事案では、再度のOSS申請と交換猶予の利用が可能との回答がありました。
一方、途中の住所変更で交付を受けなかったナンバープレートについても、未納の交付手数料を精算する必要があるとのことでした。
札幌運輸支局への照会では、最終的な転居先の交付代行者を通じ、以前の地域の未納手数料もまとめて精算する方法が案内されました。
ただし、交付代行者間の精算方法については、全国一律での運用方針が公開されていないため、事前確認が必要な状況です。
複数回の転居を経ている車両については、現在の登録状況、実際のナンバープレート、未交付となっているナンバープレートの有無を整理したうえで、管轄運輸支局等と交付代行者へ確認することをおすすめします。
札幌市・北海道の自動車登録、車庫証明、出張封印のご相談
さっぽろ本田行政書士事務所では、札幌市を中心に、自動車の住所変更登録、名義変更、車庫証明の取得、出張封印などの手続きを取り扱っています。
複数回の住所変更など、通常の登録とは異なる事情がある場合にも、車検証やこれまでの登録状況を確認し、必要な手続きについてご案内します。
一般的な引っ越し後の手続きについては、次の記事もご参照ください。
【自動車登録・車庫証明】引越し後の車の住所変更手続き|車庫証明・車検証・ナンバー変更を整理
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